User Rating: 0 / 5

Star InactiveStar InactiveStar InactiveStar InactiveStar Inactive

錯視効果のラウンドアバウト交通システム

 信号機のない環道車両優先の環状交差点のことをラウンドアバウトという。ラウンドアバウト交通システムの 利点は交通円滑化と事故削減と景観美の魅力である。2016 年 4 月の熊本地震では、すべての地域において停電 となり、マヒ状態となった交差点での事故や交通処理の問題が多く発生した。

阪神・淡路大震災、東日本大震災、 熊本地震等、短い期間に大地震が頻発している。法改正に伴い安全かつ自然災害に強い交通システムとして導入 が進められる中、景観デザインの視点を考慮した魅力的な交通システムの構築が必要である。設置計画に際し、 これまでの国土交通省、交通工学だけの観点からハード面に重視した施工実施計画だけでなく、芸術と工学が融 合したアートが存在する美しいまちづくりのプロジェクトが必要不可欠である。

1. 進入時における錯視効果による速抑制方法

 ラウンドアバウト進入時への対応策として、ジグザグ形式イメージハンプを活用する。施工が容易で、視覚と 音と衝撃の3つの要素で速度抑制効果を図るデザインである。特に音の静かなハイブリッド車や電気自動車に対 する横断歩道時の聴覚障がい者への注意喚起にも効果的である。

2.ラウンドアバウト中央島(円形内)のシンボルサイン

 日本のラウンドアバウト設置事例は、交通工学的なハード面主体の実施が大半であるため中央島のスペースが十分に生かされていない。一方、ヨーロッパ各地で設置されている事例の多くは、具象彫刻など地域のシンボルと 形を立体化したものが多い。地域の景観美に大きく影響するラウンドアバウト交差点は、ランドマーク的シンボルとしての重要な役割を担っているため、これまでの路面標示法方法に加え、芸術、景観デザインの視点に立ったアイディアを盛り込んだ学際領域による新たな研究開発が必要である。

 本研究では、各進入口からの印象付けを明確にする方法として、多視点による異なる印象を重複した多義立体表現(一つの立体造形物の中に複数の意味、要素が含まれる造形表現/特に交差点の位置を示す交差点名のイニシャル表示の組み合わせ)を中央島の立体造形物とし、バリエーションによるデザインシステム化を図る(図1参照)。また走行方向を誘導するサイン表示は、視点移動に伴う視覚表現(LEDサイン表示も含む)が効果的である。

3.ラウンドアバウト全体図(シミュレーション画像)

 ジグザグ形式イメージハンプ特許取得済(特許取得番号:第6600910号/令和1.10.18)であるが、その内容にはラウンドアバウト構想としてイメージハンプ、中央島のシンボルサイン等の総合的見地からの設置手法を提示した。図1のシミュレーション画像では設置場所をアルファベットのイニシャル表記によるシンボルサインを各面に異なる文字を表記している。事例では熊本県(K)、益城町(M)、朝日交差点(A)、および地域のシンボルとしてのイメージを表現した。不幸にも益城町は熊本地震で全壊したが、本計画が新たなまちづくりの起爆剤になればと願っている。

4.「Japonism Today Exhibition」での成果発表

 2019年5月5日~9月8日、エミール・セーデル・クロイツ美術館/フィンランドにおいて、日本とフィンランド国交樹立100周年記念事業の一環として錯視芸術と日本の美をテーマに「Japonism Today」展が開催された。本展では、錯視を表現効果に取り入れた私のアート作品、他、杉原厚吉氏、北岡明佳氏、宮崎桂一氏の作品、そして応用展開としてラウンドアバウト交通システムの模型(図2)を含めたプレゼンス展示を行った。
4か月に渡って開催した錯視効果を基本とするアートと科学の融合展は、日本とフィンランドの国際交流と文化の発信に加え、全国的に大きな反響を呼びフィンランドで開催中の展覧会のベスト10入りを果たした。

 

ronbun

User Rating: 0 / 5

Star InactiveStar InactiveStar InactiveStar InactiveStar Inactive

錯視効果の芸術・デザインへの応用とラウンドアバウト交通システムへの活用

 

1.研究の背景および目的

 

 信号機のない円形の交差点であるラウンドアバウト図1は、日本ではなじみの薄い交通システムである。西欧諸国では日常的に活用されているが、左折優先の交通ルールが弊害となり日本では普及しにくい現状が続いていた。昨年秋の法改正に伴い、左折車両の優先権から中央部の走行車両が優先権を持つことで、急速に普及する可能性が高くなった。本研究では、今後の設置を見据えたラウンドアバウト全般の交通システムについて、1)ラウンドアバウト侵入時の錯視効果による速度抑制方法、2)ラウンドアバウト円形スペース内のシンボルサイン、3)ラウンド アバウト進入時の回転方向を示す誘導サインの3つの提案内容について図解とともに解説する。

round01

図1:ラウンドアバウト設置計画図

User Rating: 0 / 5

Star InactiveStar InactiveStar InactiveStar InactiveStar Inactive

科研費(基盤研究(C)「錯視の公共空間への活用-イメージハンプの盛り上がり効果」/2011年〜2013年


【研究概要および研究成果】


 本研究の特長は、錯視効果の公共空間への活用を目的に、道路上に設けたハンプに活用しようとするものである。近年、錯視によって引き起こされる交通事故が多発しているなか、錯視効果の活用で交通事故対策に寄与できないかと考え、現在、他の研究機関の協力体制のもとで取り組んでいる研究である。

Page 1 of 2

Study